業務を自動化できるRPAって何? 初めての人ためのRPA基礎
RPAとは
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、これまで人が手作業で行っていた定型業務をソフトウェア・ロボットが代行する仕組みのことを指し、業務の自動化が企業の生産性向上に大きく貢献します。
また、RPAは、単純作業や繰り返し作業の中から、機械が行っても効果が変わらないものを機械に代替する技術で、決まったルールに基づいて処理を行う業務などは、RPAの得意分野といえます。
RPAに代替可能な作業の一例を示します。
- データ入力・転記:紙の申請書やPDFデータをOCR(画像データのテキスト部分を認識し、文字データに変換する機械)で読み取り、Excelやシステムに自動入力
- 請求書・見積書の作成・送付:取引先情報を基に、請求書を自動作成しメール送付
- メール配信業務:定型メール(契約更新案内、新規サービスの案内メール等)の自動送信
- 社員情報管理:入退社手続きを社内システムに自動登録
RPAを活用するメリット
- 作業時間の短縮とコスト削減:人が手作業で行っていた業務をRPAが代行することで、作業時間を大幅に短縮できます。たとえば、毎日1時間かかっていた業務をRPAに任せれば、年間で250時間程度の削減につながります。
- ミスの削減:人が手作業でデータ入力を行うと、どうしても入力ミスが発生します。RPAを導入することで、ヒューマンエラーを防ぎ、正確な処理を実現できます。
- 必要業務への集中:ルーティンワークをRPAが担うことで、従業員は、より人間がやらなければならない顧客中心の業務に集中できるようになります。この積み重ねが売上増加や業務効率化に繋がります。
RPAの課題と注意点
RPA導入における最大の課題は、「適用範囲の見極め」です。
先ほど一例を示しましたが、すべての業務がRPAで自動化できるわけではありません。
たとえば、判断が必要な業務や例外処理が多い業務は、RPAだけで処理するのが難しい場合があります。そのため、まずは単純なデータ入力や定型的なレポート作成など、導入しやすい業務から始めることが重要です。
また、導入後の運用管理も課題です。RPAは一度導入すれば終わりではなく、システム変更や業務の変化に応じてメンテナンスが必要になります。そのため、社内にRPAの運用を担当する人材を確保することも重要です。
さらに、コスト面も考慮する必要があります。RPAの導入には、初期費用や運用コストが発生します。自分たちでツールを選び、自社に合うRPAツールを選定・導入できる企業は少ないため、そこを専門家やツールを提供する企業に依頼すると費用は膨らみます。特に中小企業にとっては、費用は少しでも抑えたいという心理もあることから導入を見送るケースも少なくありません。一度機会を見逃し数年間触れずに、人手不足やシステム更新等の問題が発生してから取り組むことを決断し、苦労するケースもあります。
そのため、会社に余裕があるうちに準備を進め、実行することがとても重要です。
実際の活用事例
手作業が多く非効率な業務
ある企業では、経理部門の請求書処理業務が完全に手作業で行われていました。郵送やメールで受け取った請求書を手作業で確認し、エクセルに入力、その後承認プロセスを回すという流れでした。この作業には1件あたり平均10分以上かかり、月間で100件以上の処理が必要なため、相当な稼働時間を要していました。また、手作業による入力ミスも頻発し、修正対応にさらに時間がかかっていました。
RPAを活用した自動化
RPA導入後、この業務のほぼ全てが自動化されました。以下はその変化です。
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- 自動化内容:RPAが請求書データを自動的に読み取り、エクセルや会計ソフトに入力。その後の承認プロセスの移行まで自動で実行。
- 成果:1件あたり10分かかっていた処理が2分以下に短縮され、年間で200時間以上の削減を実現。
- 精度向上:機械による読み取りにより、入力ミスがほぼゼロに。
- コスト削減:時間削減により、業務に割く人員を削減。その分の人員を別業務に振り分けることで人員不足を解消。
まとめ
多くの企業に、定型的な業務や繰り返しの多いタスクは一定数存在し、そこにかける時間や労力を減らすことができる可能性があるものがRPAです。
既存のツールを使って無料ではじめてみることも可能ですので、一度試してみたいという方は、青森県DX総合窓口へご相談ください。
