TOHOKU DX 大賞 2023受賞！ リハビリメニュー提案システム「4MS」を活用した働き方改革

「4MS」についてご説明いただけますか。

発育・発達学の知見をもとに、要介護者の運動機能をチェック項目に沿って評価し、最適なエクササイズメニューを提案するシステムとして当社が開発しました。これによって、スタッフの経験値に頼ることなくエクササイズのクオリティを保つことができ、スタッフの働き方改善や利用者の満足度向上につながっています。

どのような経緯で開発することになったのですか。

もともとコンセプトは私の頭の中にあり、開発前はA4用紙を使って独自で実施していました。一方、他のスタッフがリハビリをサポートする様子をみていて、方法に論理性や一貫性がないことに違和感を感じていました。業界的にも、リハビリ担当者が学習できる環境や教育制度が整備されていないのが当たり前の状況でしたが、臥位・座位・立位・片脚コントロールの4区分にリハビリメニューを分けることでメニュー作成に論理性をもたせ、新人からベテラン問わずに利用者に納得してもらえるメニューを提供できる仕組みとして「4MS」を独自開発しました。
最初は補助金申請しても不採択の連続でしたが、どうにか青森県の補助金に採択いただき、開発に着手できました。その後、公益財団法人21あおもり産業総合支援センターから人材紹介や特許取得でも手厚く支援していただき現在のシステム運用までに辿り着きました。
最近では、「21あおもりアワード2023 DX部門」や「TOHOKU DX 大賞 2023」にも選出いただき、開発から8年でようやく注目いただけるようになったと実感しています。

システムを導入時、社員からの批判はありましたか。

反対の声は特になく、むしろいいことばかりでした。
1つ目は、教育システムとキャリアアップを確立できたことです。「4MS」をもとに約6ヶ月でスタッフを育成できるように構築しました。また、一定レベルに達した人が新人を育成できる役職も用意し、そこに金銭や権限を報酬として設定しています。実際に、教育システムに魅力を感じて入社したスタッフもおり、意欲的に働くための環境作りができたと思っています。
2つ目は、残業時間が減ったことです。人によっては、60〜90分かかっていた一連の作業が30分に短縮されました。短縮された時間は、他の作業に当ててもらっています。「4MS」で各作業時間の見積もりができるようになった今では、ない生活が想像できません…
1人で多くの利用者を相手できるエース社員が辞めて苦労していた時期もありましたが、それもなくなりました。利用者にも優しい持続可能な仕組み ができていると自負できています。

順調にすすんでいると思いますが、今後の展望を教えてください。

大きく2つあります。
まずは、「4MS」を普及させることです。現在、パソコンやタブレット等で「4MS」を体系的に学ぶことができるようにeラーニング教材を開発中です。今は同業2社に「4MS」をご利用いただいてますが、今後は日本全国へ展開していきたいです。また、世界も視野にいれており、中国・アメリカでも特許取得に向けて準備を進めています。
2つ目は、社員の生産性向上や会社の売り上げアップを引き続き目指していきます。最近では、100坪ある施設において、情報共有を円滑にするため、インカムを導入しました。スタッフの満足度も非常に高いです。人材不足が叫ばれる業界ではありますが、従業員1人1人にいい暮らしをしてもらうための投資は今後も積極的に取り組んでいきたいです。

これからDXを進めたい企業に一言お願いします！

人材不足に伴い、企業のデジタル化は待ったなしで必要です。
僕は、DX推進に迷いがある人は、理想や叶えたいものがないからだと思っています。
そんな方は、まずは事例を探すことをおすすめします！
同業種や同じ規模間がイメージしやすそうですが、他の事例も自分事化して見ることが大事です。
この手の悩みを抱えているのは経営者さんだと思いますから、一緒に淘汰されないようにがんばりましょう！
我々も負けないよう積極的にチャレンジしていきます。

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